所得に課税されるのが所得税です。納税する税金の種類としては関わりが強いのにはずなのに、計算の仕方が分からないという人が多いです。
計算の仕方が分かれば税金の仕組みを理解しやすくなりますし、自分がいくら納税しているかを知ることでお金に対しての意識が格段に上がります。
この記事では分からない人にも、明日から所得税が計算できるように解説していきます!
※令和2年より給与控除および基礎控除が変更されたので、それをベースに解説していきます。
所得税の計算方法
所得税は課税所得に税率をかけます。なので課税所得を導く必要があります。
多くの人は給与をもらっているサラリーマンかと思われます。なのでまずは給与だけの所得税の計算の仕方を覚えましょう。
収入-給与控除=給与所得
給与所得-各種所得控除=課税所得
課税所得×税率=所得税
所得税って収入の額に税率を掛けるわけではないのねw
収入から控除っての引いて算出した課税所得ってのに税率を掛けるのよ!
しかも控除ってのがよくわからない。。。
ここでは計算の仕方をまずはイメージとして理解しましょう。では徐々に細かく解説していきます。
控除とは?
控除とはザックリわかりやすくいうと、生きていくための見なし経費みたいなもの。
給与から引くのを給与控除といい、所得から引くのを所得控除といいます。
お金を払ってなくても経費みたいに扱ってくれるってこと?
そうね!それから実際お金を支出してそれが控除として使える種類もあるよ
企業に例えてイメージすると・・・
企業の売上げにあたる部分がサラリーマンの給与、経費にあたる部分を控除という感じです。
それを差し引いた部分に税金がかかってくる仕組みです。ですがサラリーマンには経費という支出があまりないので、みなし経費という形で控除というのがあります。
人それぞれ生活の支出負担が違います。例えば扶養してる家族がいたり、医療費がかかってしまったりと。
例えば同じ年収400万の人でも、家族を扶養している人としてない人は支出負担が違いますよね。それなのに取られる税金が同じだったら不公平感がでます。
なので負担が大きい人には控除というのがあり、それを差し引くことによって課税される税金を少なくするという意味合いもあるのです。
ということは・・・控除が大きければ税金が安くなるということにもなります。
ということは、控除ってのいうのは納税者にとってうれしいことなのね!
控除が大きければ課税所得が小さくなって、税金の負担も少なくなるからね!
所得控除の種類
所得控除にはいくつか種類があります。控除金額が決まっているものもあれば、一定条件に該当すると金額が変わってくるものもあります。
- 基礎控除
- 社会保険料控除
- 扶養控除
- 生命保険料控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 雑損控除
- 小規模帰郷共済等掛金控除
- 地震保険料控除
- 寄付金控除(ふるさと納税)
- 障害者控除
- 寡婦控除
- ひとり親控除
- 勤労学生控除
うわwたくさんありすぎて覚えられない・・・
とりあえず、よく使う控除の種類だけ覚えればOK!
とりあえず使用頻度が高いのものだけでも覚えておきましょう。
基礎控除、社会保険料控除、扶養控除、生命保険料控除、配偶者控除
計算しやすくする3ステップ
わかりやすく覚えるには、まず最初に何をやるか次になにをやるかを工程別にしたほうが早く覚えられるので次の3ステップにわけて理解していきましょう。
ステップ1給与所得を求める
自分の収入から給与控除額を算出して、収入額から引く
まず最初に給与控除を把握しましょう。給与控除額を知るには下の表をみて自分の収入額当てはまる部分から計算して出します。
給与収入が多いほど、収入に対して控除額が減っていきます。ということは高収入なほど税金が高くなることを意味します。
これは高収入の人から税金を多く取ることで、税金で補う社会保障や公共事業などを通して低収入の人に所得を移転させるためです。いわゆる富の再分配です。
低所得者と高所得者の格差を広げないようにするための制度です
給与所得の算出例
例えば年収400万の人だったら上の図から・・・
400万×20%+440000=124万
給与控除が算出できたら給与所得を求めましょう。収入から給与控除を引くと・・・
400万-124万=276万
この276万が給与所得となります。
スッテプ2課税所得を求める
該当する所得控除を給与所得から引く
まず自分に該当する所得控除を把握しましょう。該当する所得控除が多ければ課税所得は低くなりますので税金も安くなります。
課税所得算出例
簡単な例で課税所得を算出してみましょう。
- サラリーマン夫(38歳)400万円、パート妻(37歳)100万、長男(15歳)、長女(12歳)
- 社会保険60万(年収の15%)
この家族が該当する所得控除は・・・
基礎控除・・・48万
社会保険料控除・・・60万
配偶者控除・・・38万
所得控除合計146万となります。年収400万の給与所得は276万なので、そこから所得控除146万を引きます。
276万-146万=130万
この例でいうと課税所得は130万となります。
あれ!?子供を扶養してるのに扶養控除は?
扶養控除は16歳以上じゃないと適用されないのだよ!
※これは15歳まで(誕生日後の最初の3月31日まで)児童手当が支給されてるからです。また扶養している年齢によっても控除額が変わってきます。
ステップ3所得税を求める
課税所得に税率をかける
所得税は累進課税といって所得が多いほど税率が高くなります。課税所得が算出できたら下の表から税率をみてみましょう。
所得税算出例
先程の例でいうと、課税所得は130万円だったので上記の表より・・・
130万×5%=6.5万
所得税額は6.5万円ということになります。
※平成25年から令和19年までは復興特別所得税を納付することになっています。
またよく分からない所得税の名前が・・・
震災の際に増税された所得税のことね!
最初はそこまで計算できなくても平気よ
正確に税金を納めることは必要ですが、ここではまずただの所得税の計算までマスターしましょう。
ちなみに所得税率に2.1%を掛けた額が復興特別所得税です。
例えば5%の所得税でしたら・・・
5%×2.1%=0.05×0.021=0.105%
課税所得が130万だとしたら、所得税と復興特別所得税併せると・・・
130万×5.105%=66365円となります。
まとめ
所得税の計算ができるようになれば・・・
税金の意識も高まり、節税への意欲も高まります。手取り額が計算で分かれば予算の設定もしやすくなります。副業などしたときにも税金がいくらになるかなど不安にならなくなります。
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