デフレとは?デフレは何故悪い?デフレで得した人達

経済・ニュース

日本はデフレと言われ続けてきましたが、そのデフレに陥った期間を「失われた20年間」と表することもあります。

デフレは良くないと言われますが、デフレで得する人はいるのか?デフレになったら何が悪いのでしょうか?

記事のポイント

・デフレの仕組み、デフレが経済や消費者に与える影響を図解で解説!

デフレとは?

インフレの逆で物価が継続的に下落する現象をいいます。それと同時に通貨の価値が上がることを意味します。

ぷーちゃん
ぷーちゃん

消費者としては物が安くってお金の価値が上がるってことは、いいことな気がするけど・・・?

ただ物価が下がるだけだと、消費者にとっては安く買えるので良いことですが、その物価の下落によって悪影響が消費者にあるのです。

デフレになると通貨の価値が上がる

デフレになると、通貨の価値は上がります。逆にインフレの時は通貨の価値が下がります。

例えば物価が30年後に1/2すなわち半分になったら、200円のリンゴが100円になります。1000円で5個しか購入できなかったリンゴが、30年後10個も購入できることになります。

同じ1000円なのに、物価が下がって5個から10個購入できることができるということは、通貨の価値が上がったということです。

重要ポイント

物価と通貨は表裏一体に関係にあります。物価の変動によって通貨の価値も変動するということを覚えておきましょう!

借金がある人は損

通貨の価値が上がるということは、借金の価値も上がるということ。

ぷーちゃん
ぷーちゃん

ってことは早く返したほうがいいの?

デフレ時ではお金の価値が上がる状態にありますので、借金を返済するということは、価値が高くなっている通貨を手放すということになります。

ということは、返済はしないで現金を温存しておくほうが良いということになります。

◇インフレ時とデフレ時の借金の関係◇

同じ1000万の借金でもインフレ時とデフレ時では名目(数字)は同じでも、借金の価値は変動するのです。

◇デフレの時は給与が上がらない傾向◇

デフレ時は給与が増えない傾向です。となると全体の収入がどんどん減っていく一方で借金の額はそのままなので、借金の価値は上がっていきます

◇インフレの時は給与が上がる傾向◇

逆にインフレ時は給与が増えていく傾向です。となると全体の収入がどんどん増えていく一方で借金の額はそのままなので、借金の価値は下がっていきます

豆知識

デフレ時は現金が最強!インフレ時には借金を有効活用

ぷんた号
ぷんた号

政府の借金もインフレになれば価値が減っていくことになります。

仮に・・・仮に・・・仮にこの先の未来に、日本が良好なインフレがあるとするならば、今の政府の借金が1000兆円だったとしても、「あのとき何で1000兆円で借金が~って騒いでいたんだろう」という日が来るかもしれません。。。

デフレで得する人

デフレで得する人はお金の価値が上がっていくので、単にお金をたくさん持っている人は得をします。

それ以外に年金受給者も得をしているかもしれません。本来は物価が下がれば、それに応じて給付額も下がるはずですが、それを行ってきませんでした。

ぷーちゃん
ぷーちゃん

どういうこと?

例えば、1000円、900円、800円・・・と年々物価が下落したとします。同じ生活をするには、1000円、900円、800円・・・受給されれば良いはずですよね?

ですが物価が下落しても受給される額が変わらなかったら・・・?

物価が下落した分も手元にお金がくるということなので得になります。

ぷーちゃん
ぷーちゃん

ええー!!なんかずるいよーなw

◇マクロ経済スライド方式で調整◇

本来は物価が下落したら受給額も下げるべきだとは思うのですが、デフレ下で受給を減らさなかった分インフレになったときに調整して年金支給するマクロ経済方式というのが発動されます。

ザックリいうと・・・デフレ時に減らさなかった分、インフレになったときの受給額から減らしますよっていう調整ですね。

ということはデフレ時に年金受給期間が長かった人は本来の受給よりたくさんもらえてたってことです。

そのツケは後にインフレ時になったときの受給者がかぶることなります。

デフレが起きる要因

デフレが起きる要因は円高による原材料の低下、規制緩和による値下げ競争などいくつかありますが、一番大きい要因は総需要の不足です。

◇総需要の不足とは?◇

総需要の不足とは、需要側より供給側のほうが大きい状態です。買う力が弱い状態のことをいいます。

買う力が弱いということは、物やサービスが売れなくなる状態になります。そうなると売る側としては、値段を下げて売ろうとします。

この流れが継続するとデフレスパイラルを生みます。

ぷーちゃん
ぷーちゃん

まさかこのボスのような名前のやつが冒頭に言った消費者に悪影響ってやつ?

デフレスパイラルとは?

デフレスパイラルとは、物価下落による企業の利益の減少、それに伴い賃金の下落により購買力の低下が起こり、さらに物価の下落が起きるという連鎖的な循環が起きることです。

消費者にとって物価が安いのはうれしいことですが、このような連鎖により結果的に消費者的にも打撃を受けてしまうのがデフレの怖さです。

企業は利益が減少すれば、お金を貯め込み設備投資や研究開発を控えます。そうなると付加価値を生む活動が止まってしまいます。

付加価値を生まないということは、国力の低下でもあります。そうなれば国民も貧乏になっていきます。

デフレ時の日本の成長率

20年近くデフレだった日本のインフレ率と成長率を比較してみます。

出典:世界経済のネタ帳

2008年に上昇している要因は原油価格の上昇によるもので、2014年の上昇は消費税増税によるものです。

出典:世界経済のネタ帳

2000年前後からののインフレ率の低下とGDPの停滞がほぼリンクしています。世界最大の経済大国のアメリカのインフレ率とGDPはどうなっているでしょうか?

出典:世界経済のネタ帳

ぷんた号
ぷんた号

日本と違ってずっとインフレしてる傾向ですね!

出典:世界経済のネタ帳

ポイント

インフレ率とGDPの関係から、デフレ状態だと経済が成長しないということがわかります。

まとめ

・デフレは物を安く買えるメリットはあるが、最終的に消費者にも打撃を受ける。
・デフレ時はお金の価値が上がるので、借金の価値も上がる。
・デフレで得するのは、お金持ちと年金受給者。
・デフレスパイラルに陥ると経済停滞を招く。

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